先に答え
まずフィルターを外して洗い、完全に乾かします。それでも臭うなら、原因は内部に生えたカビです。内部クリーン機能は生えてしまったカビを取る機能ではないため、乾燥運転を重ねても戻りません。市販の洗浄スプレーは使わず、そこから先は業者の範囲です。
七月の夜、冷房を入れた瞬間に、去年と同じにおいが降りてきた。雑巾を絞ったあとのような、少し甘くて、埃の混じったにおい。窓を開けて風を通しても、止めて入れ直すと、最初のひと吹きでまた戻ってくる。
カウンターの上の三枚
この一台の、三つの問い
その前に
「掃除はしたかい」
フィルターを外して洗い、完全に乾かす。そのうえで送風運転を三時間ほど回す。ここで臭いが消えるなら、故障ではなく汚れだった。消えないなら、原因は手の届かない奥にある。
円
「いくらと、いくらだ」
業者に頼む前に、自分で試す手入れの費用はほぼゼロ。送風運転の電気代は一時間あたり約0.5円で、フィルター清掃には年860円ぶんの省エネ効果がある。先に試す順序に、金額上の損はない。
エアコンの臭いは何が原因ですか?
原因は三つに分かれます。パナソニックの公式解説が挙げているのは、生活臭、カビ、フィルターの汚れです。順番に見ると、自分で手が届く場所と届かない場所の境目が見えてきます。
部屋のにおいが、内部にたまっている
料理の油煙、煙草、柔軟剤、アロマ。エアコンは部屋の空気を吸い込んで吐き出す機械なので、部屋にあるにおいの成分がそのまま内部に付着します。使っているうちに少しずつ濃くなり、ある夏に「去年と違う」と気づくことになります。
ホコリが栄養になって、カビが増える
内部にたまったホコリはカビの栄養源です。そこへ冷房や除湿の運転でできた湿気が加わると、増える条件がそろいます。臭いの正体がカビである場合、においは結果であって原因ではありません。 においだけを消しても、栄養と湿気が残っていればまた生えます。
フィルターが目詰まりして、雑菌が繁殖する
三つのうち、唯一これだけは道具なしで確かめられます。フィルターを外して光にかざし、向こうが透けて見えないなら目詰まりしています。
2週間に1回
目詰まりしたエアコンを清掃した場合の省エネ効果は年31.95kWh、27円/kWh換算で約860円。
パナソニック UP LIFE確認 2026-07-29
なぜ冷房を入れた瞬間に、いちばん臭うのですか?
止まっているあいだに、内部が湿ったまま置かれているからです。
冷房や除湿の運転中、熱交換器は冷たくなり、その表面に結露が生じます。運転を止めた直後の内部は、水滴が残ったまま閉じられた状態です。次に運転を始めると、最初のひと吹きが、その湿った内部を通ってきた風になります。臭いが起動時に集中するのは、故障の合図ではなく、内部が乾いていない合図です。
暖房の季節にたまった成分が、冷房の初日にまとめて出てくることもあります。半年ぶりの運転で強く臭い、しばらくすると薄れる場合は、これにあたります。ただし「薄れた」は「なくなった」ではありません。
内部クリーン機能があるのに臭うのは、なぜ?
あの機能が、予防だからです。除去ではありません。
メーカー自身がはっきり書いています。内部クリーン機能は「生えてしまったカビを除去する機能ではありません」。運転後に内部を乾かして、カビが生えにくい状態にするための機能です。だから、まだ生えていないうちは効き、すでに生えたあとには効きません。
カウンターの上:外したばかりのフィルター。灰色の綿が目に詰まっている
ナオ
毎回、内部クリーンはついてるんです。切ると勝手に乾燥してくれるやつ。それなのに、去年より臭くて
ミリ
……揺れてる。この中のカビの量は、測れない
トウさん
その機能は、生やさないほうの係だな。生えたあとを、なかったことにはできないんだよ
つまり、内部クリーンを毎回使っていた人ほど「ちゃんとやっていたのに」と感じます。やっていたことは間違っていません。ただ、予防の道具で、すでに起きたことを片づけようとしていただけです。
自分でできるのは、どこまで
手が届くのは、外から見える範囲までです。
- 換気しながら十分ほど運転する — 窓を開けて、たまった空気を外へ出します。これで薄れるなら、原因は付着した生活臭寄りです
- フィルターを洗って、完全に乾かす — 中性洗剤で洗い、陰干しします。濡れたまま戻すと、かえってカビの条件を足すことになります
- 送風運転で内部を乾かす — 三時間ほど。電気代は一時間あたり約0.5円です
ここまでで戻らなければ、原因は熱交換器や送風ファンの奥にあります。その奥は、自分の範囲ではありません。 市販の洗浄スプレーで届かせようとすると別の危険が出るため、範囲の線はエアコンを自分で掃除していい範囲にまとめました。
業者に頼む合図
次のどれかにあてはまるなら、手入れの段階は終わっています。
- フィルターを洗って乾かし、送風もかけたのに、まだ臭う
- 吹出口をのぞくと、奥の羽根に黒い点が散っている
- フィルターやフラップに、拭いても取れない黒い汚れがある
黒い点はカビです。見えているということは、見えない奥にも同じだけあるということです。ここから先は分解の話になり、電装部品のそばを触ることになります。
臭いが取れたあと、どのくらいの頻度で手入れをすれば同じことが起きないかは、手入れで家電の寿命は延びるのかで品目ごとにまとめています。
まとめ
臭いは故障ではなく汚れの合図です。フィルターを洗って乾かし、送風で内部を乾かす。ここまでが自分の範囲で、費用はほとんどかかりません。それでも臭うなら、内部クリーン機能をいくら重ねても戻りません。買い替えを考えるのは、その先の話です。
参照した公式・一次資料
朝、ナオが決めたこと
私は今日、フィルターを外して洗ってみる。乾くまで一日待って、それでも臭ったら、そのときは自分の手を止める。


